水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビが皮膚に感染する病気です。感染部位によって、足白癬(いわゆる水虫)、爪白癬(いわゆる爪水虫)、体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の水虫)などと呼ばれます。その中でも、足にできる足水虫が一番多く、通常、水虫というと足水虫のことです。日本人の5人に1人が水虫にかかっているともいわれており、非常に身近な病気です。
現在、当院では白癬検査が実施できないため、下記の治療を中止しております。
ご不便をお掛けしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビが皮膚に感染する病気です。感染部位によって、足白癬(いわゆる水虫)、爪白癬(いわゆる爪水虫)、体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきんたむし)、手白癬(手の水虫)などと呼ばれます。その中でも、足にできる足水虫が一番多く、通常、水虫というと足水虫のことです。日本人の5人に1人が水虫にかかっているともいわれており、非常に身近な病気です。
水虫は、白癬菌というカビが原因で起こります。白癬菌は、高温多湿な環境を好み、皮膚のケラチンと呼ばれるタンパク質を栄養にしています。感染しやすい原因はいくつかあげられます。
1.プールや共同浴場を利用することが多い
2.家族の中に水虫の人がいる
3.老人ホームなどの施設で集団生活をしている
4.足の指の間隔が狭い
5.革靴・長靴を長時間はいている
6.汗をかきやすく湿りやすい
水虫は、発生した部位と症状によって、いくつかのタイプに分けられます。
タイプ | 発生部分 | 症状 |
---|---|---|
趾間(しかん) 型水虫 |
足の指間 (特に中指と薬指の間) |
・足の指間の皮膚がふやけて、むずかゆくなり皮膚がむけるもっとも多いタイプ |
小水疱 (しょうすいほう) 型水虫 |
足の裏・土踏まず | ・小さな水ぶくれ(=小水疱)が多発して、一週間ほどで皮膚がむける ・激しいかゆみをともなうことが多い |
角化型水虫 | 足のかかと | ・皮膚の角質が硬く厚くなり、表面が荒れ、ひび割れなどがあり皮膚がむける ・自分では水虫だと気づかない場合もあるかゆみはないことが多い |
爪水虫 (爪白癬) |
足の爪 (特に親指の爪) |
・白癬菌が爪の中にまで浸透したら起こる ・爪が変色 ・変形する ・かゆみは少ない |
水虫がいるかどうか、皮膚や爪の一部をとって、白癬菌がいるかどうか検査します。検査をしても白癬菌が、その部分にいなかったり、検査の前に水虫の薬を塗っていると、白癬菌が見つからないこともあります。そうした場合は、もう一度検査をすることもあります。
医師が皮膚の状態をみることだけで、ある程度診断可能です。しかし、それだけでは水虫と似た他の病気との区別がつかない場合もあり、水虫の正確な診断を行なうために、顕微鏡検査をしたうえで水虫がいるかどうかを診断します。
当院では、顕微鏡検査で水虫(足白癬)の確定診断を実施しています。
水虫の治療は塗り薬が中心となります。直接薬を塗ることにより、白癬菌を殺したり、白癬菌の成長を抑えることができます。市販の水虫の塗り薬はときどきかぶれることもありますので、赤くなったり痛みがでてくるようであれば、早めに医師のを受診をしてください。液剤やスプレー式などのべとつきにくいものも好まれますが、かぶれなどの副作用や効果を比較すると、クリームタイプがおすすめです。
塗り薬を使用するときのポイント
飲み薬
爪水虫や角化型水虫など、塗り薬が白癬のいる部分まで届きにくい水虫の場合や細菌感染を起こしている場合には飲み薬を使用します。飲み薬は、体の内側から作用するために効果が期待できます。肝臓が悪い、妊娠中、他の薬を服用しているなどの場合には飲み合わせの問題などもありますので、服用の際はかならず医師に相談してください。
水虫は白癬菌というカビにより起こる感染症なので、他のカビと同じく高温多湿を好む白癬菌を取り除くことが予防になります。
足がかゆくて皮むけがあるため、自分で水虫と判断している方の中には、別の病気のこともあります。水虫と似た症状で間違いやすいのは、かぶれ、湿疹などがあり、水虫の塗り薬で治りが悪い場合は、検査して水虫がいるかどうか確認する必要があります。自分で足水虫だと思っている方の3人に1人は別の病気だったとの報告もあります。
爪白癬とは、爪にできる水虫で、白癬菌(はくせんきん)というカビが爪の中に感染して、爪の厚くなったり変形する病気です。爪白癬は、足の親指の爪にできることが多いです。爪白癬は多くの場合、足白癬に続いて起こりますが、気づかないで放置して、知らない間に悪化させてしまうこともあります。日本人の10人に1人かかっているともいわれ、見逃されやすい病気です。
爪白癬の原因は、白癬菌というカビで足水虫と同じ菌です。爪白癬のほとんどは、白癬菌が爪の中に侵入し、爪の下部である爪甲下(そうこうか)をすみかとするものです。爪の表面は硬くできているため、白癬菌も侵入しづらいのですが、爪甲下は水分が多くて軟らかく、またケラチンも豊富に含んでいるために、白癬菌にとって格好のすみかとなります。足水虫がある場合は、足水虫からは白癬菌が供給されて爪白癬になることもあります。
爪白癬は水虫の一種ですが、自覚症状が少なくかゆみも出ることはありません。
主に以下のような爪の変化がおこります。
① 爪が変形する
② 爪がボロボロ欠ける
③ 爪が白色や黄色に濁る
④ 爪が厚くなる
⑤ ひどくなると、細菌が感染して痛みを感じることもある
爪白癬の検査は、水虫と同じく顕微鏡により行います。爪白癬と思われる部分の一部を採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を調べます。
白癬菌が確認されると、爪白癬であると診断されます。
当院では、顕微鏡検査で爪白癬の確定診断を実施しています。
爪白癬の治療は、薬物療法が中心になります。薬物療法には、飲み薬が治療の中心として用いられます。
飲み薬飲み薬が爪白癬の治療の中心になります。外側からでは成分が届かない爪の中の白癬菌も、飲み薬ならば体の中から直接成分が届きます。また、飲み薬はその成分が直接白癬菌に届くだけでなく、薬の成分が体内に長時間とどまるという利点があります。
抗真菌剤の飲み薬を用いた治療では,まれに肝臓の機能が障害される副作用が現われることがあるため、治療の開始前に血液検査で肝臓の機能に異常がないかどうかを確認します。この時の検査で異常がなかった場合,飲み薬を内服した後に、もう一度同じ検査を行って,血液検査の数値に異常がないかどうか確認します。
現在使用されている抗真菌剤の代表はラミシールとイトリゾールの2剤です。ラミシールは1日1回朝食後に約6ヶ月間毎日飲み続けます。イトリゾールは、パルス療法といって通常よりも多い量の薬剤を1週間飲んで3週間休むことを3回(3ヶ月間)繰り返します。爪の生え替わりには一定の期間を必要とします。一般的に、新陳代謝による爪の生え替わりの期間は、手の爪で約6ヵ月、足の爪では約1年かかるといわれています。両方の薬剤ともに、8割以上の有効性が確認されています。
▼爪白癬の薬
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クレナフィン | ルコナック |
爪水虫飲み薬(ラミシール、イトリゾール)と爪水虫塗り薬(ルコナック、クレナフィン)は、変形、変色した爪を直接治す効果はありません。
そのため、変形、変色した爪が押し出されて、新しい健康な爪に生え変わるまで使い続ける必要があります。
爪が生え変わる期間は、年齢や指によって個人差がありますが、一般的には手の爪で半年~1年、足の爪で1年~1年半といわれています。
出典:爪白癬患者さんのための「爪白癬治療の心得」
爪水虫治療は長期戦で、爪水虫飲み薬・塗り薬をしっかり使っていたとしても完治させるのは難しいです。
カビの一種である白癬菌は、高温多湿のジメジメとした状態を好みます。爪白癬の予防においては、白癬菌の繁殖を抑え、周囲の人間にうつさないように白癬菌の好む状況を生活環境から取り除くことが大切です。
具体的には、以下のような対策があげられます。
白癬菌を生活環境から排除する方法
① 足を良く洗い清潔にします。
② 足をよく乾燥させ、湿ったままの状態にしないようにします。
③ 部屋の通気を良くします。
④ 足に直接触れるもの(バスマットや靴下等)はこまめに洗濯をします。
⑤ 頻繁に床の掃除します。
爪が変色していたり、厚くなっていると爪水虫ではないかと思ってしまいますが、実際は爪水虫ではなくても、同じような症状がでることもあります。顕微鏡検査、培養検査で白癬菌がいるかどうか確認することが重要です。