当院における高濃度ビタミンC点滴療法の位置づけ
(当院での治療成果から考えてみました!)
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抗がん効果が発揮されるレベルの、超高濃度のビタミンCを点滴することで、抗がん効果を狙う治療法です。
ビタミンCの持つ強力な抗酸化作用は、がん細胞に対しては抗がん効果を発揮しますが、正常細胞に対しては、むしろ細胞活動を活性化させることが明らかとなっています。副作用がほとんどないことも大きなメリットです。
当院ではDr.リオルダン・プロトコルにもとづき、点滴療法研究会の会員および認定医である院長が治療を行います。
※がん患者の方の場合は50g~100gを推奨します。50g以上の高濃度ビタミンC点滴は、抗がん作用があることが科学的に実証されています。
自費診療のみです。保険は使えません。
初回
G6PD検査費用(初回のみ) | 7,500円 |
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2回目以降(高濃度ビタミンC点滴代のみ ①~④のどれか)
ビタミンCの量 | 点滴時間 | 値段 |
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① 高濃度ビタミンC25g | 40~50分 | 11,000円 |
② 高濃度ビタミンC50g | 60~75分 | 16,000円 |
③ 高濃度ビタミンC75g | 90~100分 | 21,000円 |
④ 高濃度ビタミンC100g | 120~180分 | 26,000円 |
初回の方は、カウンセリングとG6PDの検査を受けていただき、安全に点滴できるかどうかを判断いたします。G6PD欠損症(グルコース6リン酸脱水素酸素欠損症)とは、赤血球にあるG6PDという酵素の欠損により、溶血(赤血球が破壊される) が起こる病気です。数千人に1人といわれている先天性遺伝性疾患です。遺伝性G6PD欠損症の患者さんに大量のビタミンCの点滴をして血中のビタミンC濃度が上がると、重症の溶血性貧血を起こすことがあります。このような合併症を防ぐため、高濃度ビタミンC点滴を施術される方には、G6PDの検査を受けていただき、安全に点滴できるかを判断いたします。
※過去にG6PDの検査を受けたことがある方は、証明できる検査資料などご持参いただければ検査を省略して点滴を受けて頂くことも可能です。
※抗がん効果としての十分なビタミンC血中濃度に達しているかどうかの判断のために、ビタミンC50g~100g点滴後の時点で、ビタミンC血中濃度測定(1回5,000円)が、別途必要になります。
最も効果的な抗がん効果を発揮させるためには、3,500~4,000μg/mlのビタミンC血中濃度が必要とされています。
ビタミンC血中濃度測定 | 5,000円 |
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即効性もありますが、ビタミンCは体内に貯蔵できませんので、定期的に行うことで効果が持続するといわれています。
抗がん効果を発揮させるためには、週に1~2回を目安に点滴します。
国内で入手出来る点滴用ビタミンC製剤(アスコルビン酸500mg/2ml)には、防腐剤が添加されている為、高濃度の点滴をすると防腐剤が25~50倍も体内に入ってしまいます。
そこで、当院では防腐剤の添加されていないマイラン社製の高濃度ビタミンC製剤(25g/50mL)を海外から輸入し使用しております。
本製剤は、海外のメーカーの中で最も塩分(ナトリウム)量が少なく、浮腫や心不全をより起こしにくい製剤となっています。USP(アメリカ薬局方)に遵守した安全な製剤です。
なぜ、ビタミンCは選択的にがん細胞を殺すのでしょうか。それは、ビタミンCが、がん細胞に対してだけ毒性として働くからです。ビタミンCは酸化されることで強力な抗酸化作用を発揮しますが、その際に大量の過酸化水素が発生します。
仮に、血中にビタミンCを投与した時、正常な細胞は過酸化水素を中和できますが、がん細胞はこれを中和できず死んでしまうのです。つまり、正常細胞には影響を与えずにがん細胞だけを殺す働きがあるのです。 そのため、抗がん剤のような副作用はありません。
ビタミンCは、低濃度では抗酸化作用を示すのみですが、高濃度では過酸化水素を生成するプロオキシダントとして正常細胞には影響を与えずにがん細胞だけを殺す働きをします。がんの死滅効果、縮小効果としては、通常50~75g程度の高濃度ビタミンC点滴が必要になります。
大腸がん、肺がん、すい臓がん、卵巣がん、膀胱癌、腎がん、乳がん、前立腺がん、胃がん、子宮がん、悪性リンパ腫、脳腫瘍、白血病、肝がん などがあげられます。
現段階では、すべてのがんに同等の効果があるとはいえませんが、標準的治療と併用することで治療効果を高める事が多いと言われています。
また、標準的治療で効果が得られない症例には単独でも行う場合もあります。
① 標準治療(手術、化学療法や放射線療法)が無効な時、あるいは、標準治療の効果を高めるため
② 化学療法・放射線療法の副作用を軽減させるため
③ 化学療法・放射線療法の副作用がひどくて続けられない方
④ 標準治療後の寛解期を延長させるため(再発予防のため)
⑤ QOL(生活の質)を改善させるため
⑥ 有効な治療がなく、代替治療を受けることを希望する時
(※ 手術、化学療法や放射線療法などの有効な標準治療があれば、優先させて下さい。決して、高濃度ビタミンC点滴単独でがんが治癒するわけではありません!)
① がんの死滅効果・縮小効果
(すい臓がんステージⅣで抗がん剤と高濃度ビタミンC点滴を併用した例)
【ビタミンC治療前】 | 【ビタミンC11回点滴治療後】 | |
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右のすい臓の中に大きながんが見られます。 | がんが確実に小さくなっています。 |
【ビタミンC治療前】 | 【ビタミンC11回点滴治療後】 | |
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肝臓に多数の転移がみられます。 | 転移が確実に縮小しています。 |
② 抗がん剤化学療法、放射線療法の副作用を軽減させる
放射線療法を行った場合、程度の差こそあれ、皮膚傷害はほぼ必発です。高濃度ビタミンC点滴療法を併用することによりその程度は軽減され、回復も早まります。
③ がんの痛みを和らげ、QOL(生活の質)を改善させる
がんが進行すると、かなりの確率で身体に痛みが生じてきます。ところが、高濃度ビタミンC点滴をしていると、いつの間にか痛みが薄れていくのです。その機序としては、間接的にステロイドの産生を促すことにより、抗炎症作用を示す、血液中のカルシウムレベルを下げ、骨へのカルシウムの取り込みを促進する、などいくつかのメカニズムが考えられています。
④ 吐き気がなくなり、食欲が増す
抗がん剤を打つと食欲がなくなったり、活力が失われたりすることがよくあります。高濃度ビタミンC点滴を打つと、それがなくなっていきます。実は多くのがん患者は、食欲が失われることで、亡くなるケースも多いのです。
そのため高濃度ビタミンC点滴は、がん患者のQOL(生活の質)が上がり、身体を守ってくれるものだといえるでしょう。
⑤ 免疫力がアップする
免疫効果として様々な機序が分かっています。細菌が体内に入ると その特異的な抗体分子により異物とみなされます。その抗体に補体が結合し破壊する準備をします。(オプソニン効果) その補体のC1エステラーゼ成分の合成にビタミンCが必要になります。 その後、好中球やマクロファージによって細菌は破壊されます。 このような細菌を破壊するのにもビタミンCは役に立っています。 また「高濃度のビタミンCによってインターフェロンの産生が増える!」と報告されています。
⑥ 体力が回復する
※ただし、治療の効果は、ガン組織の種類、進行度、患者さまの年齢・体力・免疫力によって異なります。この治療でガンの縮小・消失・延命を確約することはできません!
① 活性酸素を捕捉する抗酸化作用で、細胞のがん化を防ぐ
② 白血球やマクロファージの機能を高め、免疫機能を増強する
③ 抗がん活性をもつ、インターフェロンの生成を促す
④ 血管新生を阻害し、がんの進行を抑制する
⑤ 薬物代謝に関わって発がん物質を解毒。またそれを体外に排泄する
⑥ 胃がんの原因になる、胃中のニトロソアミンの生成を防ぐ
① 現在抗がん剤治療や放射線治療を受けられている方
② すでに、上記のがん治療や手術を受けられて治療経過をみている方
③ ガンの出現や再発を心配されている方
④ さらに、全身転移のある末期ガンで手遅れとあきらめてしまっている方
高濃度ビタミンC点滴はまた、コラーゲン増殖作用があるといわれています。要はがん細胞をがんじがらめにして、再発転移を防ぐのです。さらにがん組織にできる新しい血管を作りにくくすることで、やはり転移を防ぎ、がんを兵糧攻めにすることもできます。
抗がん剤による副作用については、ビタミンC点滴では心配する必要はありません。
点滴痛や口の渇き、利尿作用などが見られることはありますが、いずれも重篤な副作用ではありません。実際、過去に15万件以上のビタミンC点滴を行なってきたアメリカの医療機関においても、重篤な副作用はいっさい確認されていません。
一方、心不全、腎不全、著明な胸腹水などを認める方は、高濃度ビタミンC点滴による水分負荷が全身状態の悪化につながるため、高濃度ビタミンC点滴療法は行えません。
高濃度ビタミンC点滴療法を受けるとしたら、G6PD異常症スクリーニング検査を受ける必要があります。これは赤血球膜G6PD活性の測定をするものです。
G6PD異常症というのは、伴性劣性遺伝を示す家族性溶血性貧血で、アフリカ系の黒人を中心に世界で数億人いるといわれています。日本では少ないとはいえ、全体の0.1~0.5%の方がG6PD異常症といわれているようです。
G6PD異常症は、25g以上の高濃度ビタミンC点滴で溶血性貧血発作の危険があるので、事前にG6PD活性の検査が必要になります。
Q1.どのような頻度で高濃度ビタミンC点滴を受ければよいのでしょうか? また、どのくらいの期間続ければ、がんが治りますか?
Q2.効果が出始めるのは、いつごろからですか?
Q3.この療法はどんながんに効きますか?
Q4.1回の点滴の時間はどのくらいですか?
Q5.現在、抗がん剤の治療を受けていますが、並行して点滴療法を受けても大丈夫ですか?
Q6.高濃度ビタミンC点滴をする場合、がん治療の主治医にはどのように説明したらよいでしょうか?
Q7.過去にがんの治療を受け治癒していますが、再発しないかと心配です。ビタミンC投与は再発予防にも効果はありますか?
Q8.がんの診断を受け、手遅れで根治出来る治療法はないと言われました。その場合でも点滴療法は効果がありますか?
Q9.点滴を受けた日にやってはいけないこと、食べてはいけないものなどありますか?
Q10.点滴療法を受けている期間、日常生活を送る上で、食事や運動など気をつけなければいけないことがありますか?
Q11.この治療法の副作用としては、どんなものがありますか?
Q12.G6PDスクリニーニング検査とは何ですか?
Q13.何故、ビタミンCの血中濃度測定が必要なのですか?
稀には、下記の副作用があります。