治療抵抗性、重症潰瘍性大腸炎に対して、免疫調整剤、抗TNF-α抗体製剤による治療を実施しています。
潰瘍性大腸炎は、良い状態と悪い状態とを繰り返す病気で、悪い状態の時はとにかく強力に徹底的にたたいて、一刻も早く、寛解導入とすることが重要で、そのためにステロイドは非常に大きな役割を担っています。
しかし、ステロイドは良い状態を維持(寛解維持)する効果はなく、一方、少量であっても長期に投与することは、ステロイド依存を招き、さまざまな副作用を併発してくるので、寛解導入が得られれば、必要に応じて免疫調節薬などを併用して、早期にステロイド離脱をはかり、ステロイドなしで寛解維持することが重要です。
また、寛解導入のためにステロイドを何度か必要とした場合は、ほかの有効な治療法に切り替えていくことが大切であると言われています。
そのため、潰瘍性大腸炎でステロイド離脱が困難な例や、適正なステロイドの投与にもかかわらず改善が見られない再燃例では、当院では、次のステップである免疫調整剤や抗TNF-α抗体製剤による治療を積極的に使用して、寛解導入・寛解維持を高い確率で実現しています。