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小児糖尿病Q&A

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小児糖尿病の専門的治療を行っています。愛知県稲沢市のおおこうち内科クリニック

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小児糖尿病Q&A

当院では、小児糖尿病の専門的治療を行っています。
小児糖尿病の管理は、大人の糖尿病の管理とは異なる専門的な知識と経験が必要です。
その点、当院長は、糖尿病専門医として、今までの経歴から、数多くの小児糖尿病(1型糖尿病・2型糖尿病)の患者様の管理に携わってきています。
小児糖尿病の事でお困りの方は、ぜひ、当院でご相談ください。

小児糖尿病に関するよくある質問を集めてみました。
下記のタイトルをクリックするとジャンプします。

1型糖尿病

よくある1型糖尿病に関する質問を集めてみました。
下記のタイトルをクリックするとジャンプします。
Q1.小児1型糖尿病は何歳ぐらいに発病するものなのでしょうか?
Q2.2型糖尿病が1型糖尿病に変化することはありますか?
Q3.糖尿病は自覚症状が少ない病気とのことですが、小児1型糖尿病も同じですか?
Q4.子どもが1型糖尿病になったのは、なにがよくなかったのでしょうか?
Q5.1型糖尿病になりやすいのはどんな子どもでしょうか?
Q6.1型糖尿病の発病に関係する遺伝因子とはどんなものですか?
Q7.1型糖尿病の発病に関係する環境因子とはどんなものですか?
Q8.テレビで「子どもを牛乳で育てると糖尿病になりやすくなる」といっていました。やはり飲ませないほうがよいでしょうか?
Q9.発病後の早い時期に1型糖尿病を発見し早期治療すれば、糖尿病を完治できるのでしょうか?
Q10.1型糖尿病が今のところ完治が難しい病気であることはわかりましたが、ではなにをめざして治療を続けていくのでしょうか?
Q11.なぜ子どもは血糖値の変動が激しくなりやすいのですか?
Q12.どうすれば高血糖を防げるのでしょうか?
Q13.ケトアシドーシスになりやすいのはどんなときでしょう?
Q14.重症の低血糖を起こさないことも、やはり大人の糖尿病と同じですね?
Q15.大人よりもずっと先の長い子どもなのに、血糖コントロールの目標値を高めにしたら、合併症が起きたりしませんか?
Q16.子どもの低血糖を予防するには、どのような方法がありますか?
Q17.子どもの低血糖の対処法を教えてください。
Q18.治療目標に「身長が年齢相当に成長」とありますが、小児1型糖尿病と身長がなにか関係あるのでしょうか?
Q19.治療目標に「体重が年齢・身長相当に増加」とありますが、小児1型糖尿病では体重も増えないということですか?
Q20.1型糖尿病の場合は、食事療法の効果はあまりないのでしょうか?
Q21.1型糖尿病では、食事療法にはそれほど力を入れなくてもよいということでしょうか?
Q22.小児1型糖尿病の食事療法は、大人の糖尿病(2型糖尿病)の食事療法となにか違いはありますか?
Q23.小児1型糖尿病では、摂取エネルギー量は考えなくてもよいのですか?
Q24.栄養バランスについては、どんな注意が必要でしょうか?
Q25.子どものために特別な食事を作ったほうがよいのでしょうか?
Q26.例えば誕生日会などではケーキが出されますが、ほかの子どもたちと同じように食べさせてもよいのでしょうか?
Q27.小児1型糖尿病の運動療法について教えてください。
Q28.運動はさせないほうがよいのでしょうか?
Q29.糖尿病のタイプ(1型か2型か)で、運動療法に違いはありますか?
Q30.薬物療法についてはどうでしょう?インスリンをきちんと打っていれば、糖尿病が少しはよくなりますか?
Q31.インスリン療法には、2回法、3回法などがあるようですが、どのように決めるのですか?
Q32.インスリンの注射量が少しずつ増えてきました。糖尿病がより進行しているということでしょうか?
Q33.学校生活についてアドバイスをお願いします。子どもが糖尿病であることを先生に伝えたほうがよいのでしょうか?
Q34.学友だちやクラスメイトに対しても、糖尿病の説明をしておいたほうがよいのですか?
Q35.学校にいる間に低血糖になったとき、どうすればよいですか?
Q36.授業中に低血糖になったら、休み時間までがまんさせるべきですか?
Q37.給食はみんなと同じように食べてよいのですか。それともお弁当をもたせたほうがよいのでしょうか?
Q38.体育の授業はほかの子どもと同じように出席させて大丈夫でしょうか。見学させたほうがよいのでしょうか?
Q39.運動会にも参加させて構いませんか?
Q40.クラブ活動はどうでしょうか?
Q41.修学旅行はどうですか?
Q42.サマーキャンプについて教えてください。
Q43.小児糖尿病では、どんなことが問題なってくるのでしょうか?
Q44.進路選択の際、糖尿病のことも考慮したほうがよいのでしょうか?
Q45.就職に際して、差別的なことはないのでしょうか?
Q46.就職の際、糖尿病のことを会社へ伝えたほうがよいのでしょうか、隠しておいたほうがよいのでしょうか?
Q47.結婚についてはどうでしょうか?糖尿病のために結婚が遅れるようなことはありませんか?
Q48.“結婚適齢期”と言われる年齢になる前に、糖尿病による合併症が出てしまって、結婚に支障を来すようなことはないでしょうか?
Q49.糖尿病の男性はED(勃起障害)になりやすいと言われます。そのことが結婚に影響したりしませんか?
Q50.EDは男性の問題ですが、女性の1型糖尿病の人に、性的な問題でなにか影響は現れませんか?
Q51.糖尿病の治療費を補助する制度はありませんか?

1.小児1型糖尿病は何歳ぐらいに発病するものなのでしょうか?
10歳前後から思春期にかかるころに発症年齢のピークがありますが、それほど際だったピークではなく、どの年齢でも発病する可能性があります。
2.2型糖尿病が1型糖尿病に変化することはありますか?
2型だと思っていた糖尿病が実は1型に近い糖尿病であったような場合に、このような現象が起こることがあります。これは、緩徐進行型1型糖尿病と呼ばれるタイプの糖尿病で、子どもよりもむしろ成人に発病することが多い傾向のある糖尿病です。発病後しばらくは2型糖尿病のような状態(飲み薬やインスリン注射が不要な状態。または薬による治療が必要な場合でも、生命を維持するためにその治療が必須なわけではなく、血糖コントロールの維持のために行う状態)を示します。やがて徐々にインスリン分泌量が減ってきて、最終的にはインスリン依存状態(インスリン療法をしなければ生存できない状態)になります。
3.糖尿病は自覚症状が少ない病気とのことですが、小児1型糖尿病も同じですか?
自覚症状が少ないのは2型糖尿病の場合であって、1型糖尿病では発病とともに短期間で極めて高い高血糖になって、数日から数週間のうちに高血糖症状が現れます。喉が渇いて飲み物を何度も欲しがったり、トイレに頻繁に行ったり、疲れてゴロゴロしているといったことです。また、急にやせてきたり、著しい高血糖とケトアシドーシスのために昏睡に陥ることもあります。
ただ、発病の時期が学校の健康診断の時期と重なった場合などには、自覚症状に気が付かない段階で尿糖陽性を指摘され、それによって1型糖尿病が発見されることもあります。また、緩徐進行型1型糖尿病の場合も、自覚症状からでなく、検尿検査などで発見されます。
4.子どもが1型糖尿病になったのは、なにがよくなかったのでしょうか?
1型糖尿病の原因はまだよくわかっていないことが多く、それだけに防ぎようがない病気だといえます。基本的にはだれでも発病する可能性をもっています。この点、生活習慣病である2型糖尿病との大きな差と言えます。ですから「なにがよくなかったのか」との質問には、「なにも悪くはなかった。しかし発病した」と答えるしかありません。
発病直後は「なぜうちの子が」「なぜ自分が」と理不尽さを抱かれるかと思いますが、糖尿病を前向きに受容できれば、より豊かな人生を送る大きなきっかけになるかもしれません。実際に、小児1型糖尿病を発病し成人後にそのように語る患者さんは少なくありません。病気は、その人の人生にとって、決してマイナスな面ばかりだけとは言えないのではないでしょうか。
5.1型糖尿病になりやすいのはどんな子どもでしょうか?
発病の原因がはっきりしていないので、どのような子どもが発病しやすいのかはわかりません。小児の1型糖尿病の発病率に関する統計からは、男子よりも女子にやや多いことがわかっています。また、遺伝因子や環境因子もあることがわかっています。
6.1型糖尿病の発病に関係する遺伝因子とはどんなものですか?
1型糖尿病の発症率には人種差や若干の家族集積傾向がみられる(1型糖尿病の親の子に1型糖尿病が発病する頻度は、1型糖尿病でない親の子よりも高い)ことから、遺伝因子があることは間違いないようです。ただし複数の遺伝子が関係していて、どの遺伝子に原因があるのかは十分に明らかにはなっていません。また、遺伝子が受け継がれたからといって必ず発病するわけでもなく、なんらかの環境因子の負荷があって発病します。しかも1型糖尿病の親の子が1型糖尿病を発病する確率は、2型糖尿病の親の子が2型糖尿病を発病する確率に比べてずっと低い値です。
7.1型糖尿病の発病に関係する環境因子とはどんなものですか?
自己免疫疾患を引き起こす原因の一つに、なんらかのウイルスの感染があげられます。かぜや風疹、おたふくかぜなどの流行が小児1型糖尿病の発病率上昇と関係していて、そういったウイルス感染により、免疫システムが間違ってβ細胞を攻撃してしまう可能性も考えられています。このほか、乳児期に牛乳で育てることや、なんからの化学物質の影響なども考えられています。
8.テレビで「子どもを牛乳で育てると糖尿病になりやすくなる」といっていました。やはり飲ませないほうがよいでしょうか?
生後間もない乳児を母乳ではなく牛乳や人工栄養で育てた場合に1型糖尿病を発病する確率が1.5倍ぐらい高くなる、という研究結果があるのは事実です。しかしそれは、日本に比べて格段に1型糖尿病の発症率が高い海外での研究で、日本人におけるデータは今のところありません。
糖尿病になりやすくなるか否かの結論を別にしても、生まれたばかりの子どもを母乳で育てたほうがよいのは確かです。しかし、なにかの理由でそれができない場合や幼少期になってからも牛乳を飲まない(与えない)というのは、1型糖尿病の発症率が極めて低いこと(とくに日本人では)、牛乳によってどの程度1型糖尿病になりやすくなるのか不確かな面があること、牛乳が栄養価がとくに高い食品で子どもの発育に重要なことなどを考えると、ややバランスを欠いた考え方ではないかと思います。
9.発病後の早い時期に1型糖尿病を発見し早期治療すれば、糖尿病を完治できるのでしょうか?
残念ですが1型糖尿病の成因(インスリンを分泌するβ細胞が壊れてしまうということ)から考えると、早期発見しても病気を治療することは難しいと言えます。緩徐進行型の1型糖尿病の場合、発病後の早期にインスリン療法を開始すると、長期間にわたって治療のためのインスリン注射量を少なく抑えられることがわかっています。
10.1型糖尿病が今のところ完治が難しい病気であることはわかりましたが、ではなにをめざして治療を続けていくのでしょうか?
基本的には2型やその他の糖尿病と変わりありません。つまり、より良い血糖コントロールを維持して、高血糖による合併症の発症を防ぐことです。小児1型糖尿病の主な治療目標を具体的にあげると、次のようになります。
  • 著しい高血糖やケトアシドーシスにならない
  • 重症の低血糖を起こさない
  • 身長が年齢相当に成長している
  • 体重が年齢・身長相当に増加している
  • 自分で注射できるようになる
  • 血糖測定と低血糖時の対処を自分でできるようになる
  • 食事や運動と血糖値の変化の関係を理解する
11.なぜ子どもは血糖値の変動が激しくなりやすいのですか?
血糖値は、全身の細胞で消費するブドウ糖の量と、そのブドウ糖を細胞に取り込むために必要なインスリンの量、ブドウ糖を血液中に供給する肝臓や筋肉のグリコーゲンの量などのバランスで上下動するのですが、子どもは大人よりも当然ながらずっと体格が小さいために、それらのいずれかが少しバランスを崩しただけで、すぐに血糖値が上がったり下がったりしてしまうのです。
12.どうすれば高血糖を防げるのでしょうか?
1日の食事を4~5回に分けて食前・食後の血糖変動の幅を小さくしたり、インスリンの注射量をごく微量ずつ変化させるなどの工夫があります。主治医と相談しながら一番よい方法を見つけてください。また、お子さんの負担にならない範囲で、血糖値をこまめに測ってあげて(自分で血糖値を測れるのなら自分で測るようにして)ください。
13.ケトアシドーシスになりやすいのはどんなときでしょう?
大人の場合と同じように、感染症にかかったときなどに注意が必要です。食事をとれないときでもインスリン注射は止めてはいけません。
14.重症の低血糖を起こさないことも、やはり大人の糖尿病と同じですね?
はい。子どもは血糖変動が激しい分、低血糖になりやすいものです。小さな子どもは低血糖がわからない(自覚できない)という点にも配慮が必要です。また、乳幼児期に重症の低血糖を繰り返して起こすと健康な発達が阻害されるとの指摘もあります。このため、少し大きくなるまでは、血糖コントロールの目標値を少しだけ高めに設定することがあります。
15.大人よりもずっと先の長い子どもなのに、血糖コントロールの目標値を高めにしたら、合併症が起きたりしませんか?
もちろんずっと高いままではなくて、成長とともに治療目標をステップアップしていきます。合併症については、直ちに心配する必要はありません。重症低血糖を起こさず血糖値を良好に管理できるようになるまで成長したあと、厳格な治療を保っていけば、幼少期に多少高い血糖値で推移しても、低血糖を繰り返すより安全と考えられます。
16.子どもの低血糖を予防するには、どのような方法がありますか?
食事を4~5回に分けて血糖値の変動幅を小さくし、低血糖とともに高血糖を防ぐ工夫がよく行われています。夜間の低血糖に備えて、寝る前に少量の食事(補食)を摂る必要がある場合もあります。
低血糖をまだ自覚し訴えることができない年齢であれば、そばで見ていていつもと少し様子が違うなと思ったら、声をかけて血糖値を測ってください。そして低血糖であればその対処をし、子どもが低血糖の症状を早く自分で覚え訴えられるように、少しずつ教えていってください。
17.子どもの低血糖の対処法を教えてください。
まず、低血糖を自分でわかるようになることが最初のステップです。小さい子どもは低血糖になってもそれを訴えないので、重症の低血糖になってしまう可能性があります。低血糖が自分でわかるようになり、血糖値自己測定でそれを確認し、ブドウ糖や砂糖を口にしてしばらく安静にしているといった低血糖の対処法を覚えれば、子どもが一人でできること、活動範囲は格段に広がります。自分で対処できるようになるまでは親(またはその他のご家族・周囲の方)が対処してあげる必要があります。また、ふだんお子さんの近くにいるできるだけ多くの人に、低血糖の対処法を知っておいてもらったほうが安心です。ご家族はグルカゴン注射の方法を覚えておいてください。また、幼稚園や保育園・小学校の先生方には、緊急時の連絡先(自宅や両親の勤務先、主治医の名前と電話番号など)を伝えておくようにしましょう。メモしたものを渡しておいたり、お子さんの持ち物に入れておくのもよいでしょう。
18.治療目標に「身長が年齢相当に成長」とありますが、小児1型糖尿病と身長がなにか関係あるのでしょうか?
インスリンには成長ホルモンとしての働きもあるので、インスリン自己分泌がほとんどなくなってしまう1型糖尿病では、インスリン療法がしっかりできていないと、健康な発育が妨げられてしまいます。インスリンの役割は血糖値を下げるだけではないということです。
19.治療目標に「体重が年齢・身長相当に増加」とありますが、小児1型糖尿病では体重も増えないということですか?
体重に関しては、やせすぎと太り過ぎの両方に注意が必要です。インスリンの注射量が少ないために高血糖が続いているときは、ブドウ糖を利用できずにいる状態ですので、食事をとっていてもやせてしまいます。
反対に食べるだけ食べて、それによる高血糖を抑えるためにインスリンをたくさん打つような生活をしていると、徐々に太ってきます。太ると末梢組織でのインスリンの働きが悪くなるので余計にインスリンが必要になり、1型ばかりでなく生活習慣病としての糖尿病(2型糖尿病)のような状態が加わってしまいます。
20.1型糖尿病の場合は、食事療法の効果はあまりないのでしょうか?
食事療法の目的をどこに置くかで、答えが異なります。
仮に食事療法を、血糖コントロールのために行うものと限定して考えた場合、インスリンの自己分泌がほとんどなくなる1型糖尿病の人では、食事療法を徹底しても、血糖値を下げることはできません。インスリン療法が必要です。しかし、その場合でも、食事療法なしでは血糖値の上下動が激しくなったり、低血糖(血糖値が低くなりすぎること)が起きやすくなってしまうので、食事療法の大切さは2型の人と同じです。
また、食事療法の一番の目的は、その人にあったカロリーで栄養バランスのよい理想的な食事を続けて、糖尿病に限らずほかの多くの病気の予防や改善をはかることにあります。だれにでも実践していただきたい食生活が、糖尿病の食事療法。そのような目的意識をもって実践するのであれば、その効果に、1型・2型の差はありません。
21.1型糖尿病では、食事療法にはそれほど力を入れなくてもよいということでしょうか?
2型糖尿病の治療における食事療法の位置付けに比べれば、治療法としての重要度がインスリン療法より相対的に低いと言えるかもしれませんが、大切であることには違いありません。食事療法がしっかりしていないと、食べる量や内容によって血糖値の上下動が激しくなり、結果的に高血糖や低血糖を頻繁に起こして、インスリン療法でその乱れをコントロールすることが大変困難になるからです。1型糖尿病治療の基本であるインスリン療法を容易に、安全に続けていくためにも、食事療法の考え方を理解しておく必要があります。
また食事が乱れていると、インスリン療法によって血糖コントロールを良好に保っていたとしても、太り過ぎややせ過ぎの問題も出てきて、健康な発育が妨げられたり、将来的には生活習慣病のリスクが高くなってしまいます。
22.小児1型糖尿病の食事療法は、大人の糖尿病(2型糖尿病)の食事療法となにか違いはありますか?
成人の2型糖尿病の場合、摂取エネルギー量を患者さんの仕事量や体格などに見合った量に収めることが大切です。これに対して子どもの場合、からだの成長過程にあるという点で大人と大きく異なります。からだの成長や運動に必要な栄養素を十分摂り入れなければならないので、摂取エネルギー量をあまり厳格には制限しません。
23.小児1型糖尿病では、摂取エネルギー量は考えなくてもよいのですか?
厳格な制限は必要ないということで、全く考えなくてよいという意味ではありません。1日の摂取エネルギー量の目安は一般的に、〔年齢×100+1000〕で求めたり(女子の場合は年齢から1を引いて計算することもあります)、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」を参考に、体格や生活活動強度などの個人差を考慮して決めます。ただし、血糖コントロールが良好で体重の増加と身長の伸びのバランスがとれている限り、エネルギー量制限はしません。しかし、身長の伸びよりも体重の増加が早くて肥満気味になってきた場合は、エネルギー量の制限が必要です。
24.栄養バランスについては、どんな注意が必要でしょうか?
1日の摂取エネルギー量の50~60%を炭水化物、20~25%を脂質、10~20%を蛋白質に当てるようにします。摂取エネルギー量や栄養バランスのとり方の実際については、主治医や栄養士の指導を受け、保護者とお子さんともに少しずつ覚えていってください。
25.子どものために特別な食事を作ったほうがよいのでしょうか?
家族全員同じメニューにしてください。糖尿病のお子さんを特別扱いするのは、よくありません。また、ご家族の健康のためにも、同じメニューをみんなで食べたほうがよいでしょう。
26.例えば誕生日会などではケーキが出されますが、ほかの子どもたちと同じように食べさせてもよいのでしょうか?
同じように食べさせてください。あらかじめケーキの栄養価を予測できるときは、インスリンを少し多めに注射することで高血糖を予防できます。そのように対処できないときは高血糖になってしまいますが、年に何回もない特別なことなのですから、ある程度は割り切って考えることも必要です。糖尿病だからといってほかの子どもたちと異なる決まりを守らせ続けるのは、心理的に大きな負担となります。
27.小児1型糖尿病の運動療法について教えてください。
糖尿病の運動療法は、筋肉の細胞などにおけるインスリンの感受性を高めて血糖コントロールを容易にしたり、運動そのものによるエネルギー消費で血糖値が下がる効果を期待したり、適正体重を維持したり、体力を保持し老化を予防することなどを目的に行うものですが、これらはどちらかというと1型糖尿病よりも2型糖尿病(とくに成人)の場合により高い効果が得られます。逆に、からだが小さくて筋肉量も少なく、体内に蓄積できるブドウ糖の少ない子どもの場合には、運動療法による血糖コントロールの効果はやや限られたものになります。運動によって低血糖や思わぬ高血糖が起きる頻度が高くなることも予想されるので、小児1型糖尿病の場合、血糖値をコントロールするために運動をするという方法はあまりとりません。
28.運動はさせないほうがよいのでしょうか?
そんなことはありません。健康な発育のためにはほかの子どもたちと同じように運動することが大切です。子どものうちは、屋外での遊び、体育などが必要で十分な運動療法になっていると言えるでしょう。もちろん、なにかのスポーツに取り組みそれ以上にからだを使うことも可能です。ただ、その場合は血糖値の管理方法(低血糖の予防など)を身に付けておく必要があります。
29.糖尿病のタイプ(1型か2型か)で、運動療法に違いはありますか?
一般に肥満・過体重傾向にあることが多い2型の患者さんの場合はインスリン抵抗性が強いので、そうではない1型の患者さんよりも、運動療法によるインスリン抵抗性改善効果をより多く期待できます。
1型の患者さんの場合は運動量が適切でないと、低血糖や高血糖が起きやすくなるので注意が必要ですが、もちろん、運動をしないよりも行ったほうがよいことは間違いありません。運動療法には血糖コントロールの改善だけでなく、糖尿病以外の病気の予防・改善やストレス解消などの目的もあり、それらは1型2型の別は少く、ほぼ同じように効果を発揮します。
30.薬物療法についてはどうでしょう?インスリンをきちんと打っていれば、糖尿病が少しはよくなりますか?
インスリンを注射していれば「糖尿病がよくなる」というのは、誤解を生じる言い方です。糖尿病はインスリン療法や食事療法などによって血糖値をコントロールする病気であって、病気そのものを“治す”ことは今のところできないからです。ただ、インスリン療法をしっかりと続けることは、よりよい血糖コントロールを維持するための基本であって、大切なことです。
31.インスリン療法には、2回法、3回法などがあるようですが、どのように決めるのですか?
一般的には年齢が上がるとともに、1日の注射回数を増やすようにします。毎食前に超速効型や速効型のインスリンを注射し、就寝前などに持続型(または中間型)のインスリンを注射することで、体内のインスリン濃度を糖尿病でない人と同じような状態に保つことができて、よりよい血糖コントロールを維持できるからです。しかし幼少のころに1日4回も注射するのは大変なので、超速効型や速効型と中間型が混合されたインスリンを1日2~3回注射し、食事の間に軽く間食をとるなどして低血糖を防ぎ、血糖コントロールを維持する方法がとられます。ただし近年では注射器具が進歩して子どもでも安全・確実に注射できるようになりましので、より早い時期から頻回注射法を行うケースが増えつつあります。
32.インスリンの注射量が少しずつ増えてきました。糖尿病がより進行しているということでしょうか?
子どもは日々成長していますから、インスリンの必要量もそれにつれて増加します。また、発病直後にはインスリンの自己分泌が多少なりとも保たれていたような場合に、自己分泌がより低下してくると、インスリン注射の必要量が増えてきます。ただしいずれにしても、注射量が増えたからといって心配する必要はありません。要は、血糖コントロールがしっかり保たれているかどうかが大切なことなのです。
33.学校生活についてアドバイスをお願いします。子どもが糖尿病であることを先生に伝えたほうがよいのでしょうか?
学校へはしっかり伝えておくことがすすめられます。低血糖時の対処や補食、インスリン注射をする場所、宿泊行事の参加などで、伝えていないといろいろ不都合なことが起こってきます。最近は小児1型糖尿病について解説した一般向けの本が多数出版されていますので、それらを参考にしてもらうのもよいでしょう。
34.学友だちやクラスメイトに対しても、糖尿病の説明をしておいたほうがよいのですか?
できるだけそうしてください。糖尿病であることを明らかにしないまま通学し続けることも不可能ではないかもしれませんが、インスリン注射や血糖測定のタイミングなど、やはりいろいろな面で無理が生じてきます。小児1型糖尿病について解説した子ども向けのビデオを、クラスで見てもらうように先生に言ってみるのもよい方法かもしれません。なお、改めて書く必要はないかもしれませんが、糖尿病であることはなにも恥ずかしいと感じたり、隠したりすべきことでは全くありません。
35.学校にいる間に低血糖になったとき、どうすればよいですか?
低血糖に備えて補食となる食べ物を教室や保健室、職員室などに置いておくようにしましょう。また、担任や養護の先生に低血糖の対処(砂糖やブドウ糖の飲ませ方、意識障害時には救急車を呼んでもらうことなど)を依頼しておきます。親しい友人、クラスメイトにも、低血糖の症状がどのようなものかを知っておいてもらったほうが安心です。
36.授業中に低血糖になったら、休み時間までがまんさせるべきですか?
低血糖をがまんするのは危険です。低血糖ではないかと思ったら、たとえ授業中でもすぐに血糖値を測って、低血糖を確認したら先生に言って補食をとるように教えてください。
37.給食はみんなと同じように食べてよいのですか。それともお弁当をもたせたほうがよいのでしょうか?
学校の給食はエネルギー量や栄養バランスが十分考慮されて作られていますから、お弁当を持参する必要はありません。ただし、お子さんの体格、運動量、インスリンの注射量によっては食べる量を調節する必要性もあるので、主治医と学校の先生に相談してください。
38.体育の授業はほかの子どもと同じように出席させて大丈夫でしょうか。見学させたほうがよいのでしょうか?
糖尿病でも、ほかの子どもと同じ学校生活を送ることができます。もちろん体育を見学させる必要は全くありません。ただし、運動の内容によっては授業の前または後に補食が必要ですので、あらかじめ主治医に相談し、できれば血糖測定の結果を参考にして低血糖を予防してください。
39.運動会にも参加させて構いませんか?
もちろん大丈夫です。
40.クラブ活動はどうでしょうか?
自分で血糖値の管理ができるようになれば、どんなクラブにも所属できます。
41.修学旅行はどうですか?
修学旅行に参加するのは小学5・6年生ぐらいになってからだと思います。そのくらいの年齢であれば、糖尿病発病直後でない限り、たいてい子どもは自身でインスリン注射も血糖測定もできるようになっていると思いますので、大きな心配はいりません。ただ、ふだんと異なる生活パターンになるので、思わぬときに低血糖(または高血糖)になる可能性があります。先生やお子さんにそのことを伝えておくとともに、血糖測定用のセンサーや補食をいつもよりも多めに持っていくとよいでしょう。
42.サマーキャンプについて教えてください。
小児糖尿病サマーキャンプは、毎年おもに学校の夏休み期間中に全国各地で、小児糖尿病の子どもやご家族が参加し実施されるキャンプです。糖尿病の自己管理の方法、具体的な知識と技術を身に付けるとともに、成長とともに生じる実際的な問題を、同じ糖尿病の子どもたちやそのご家族とともに考える場として定着しています。
43.小児糖尿病では、どんなことが問題なってくるのでしょうか?
子どもから大人へと成長するなかで「糖尿病を受容する」ことの大変さが最初にあげられますが、そのほかにも例えば進学時の進路選択をどうするか、将来どんな職業をめざすのか、実際に就職活動する際に糖尿病がどう関わってくるか、恋愛や結婚・出産に糖尿病がどう影響するのかなど、その後の人生を左右するような大きな岐路に差しかかります。
44.進路選択の際、糖尿病のことも考慮したほうがよいのでしょうか?
糖尿病だからといって、学びたい分野をあきらめて進路を変更する必要は全くありません。
45.就職に際して、差別的なことはないのでしょうか?
糖尿病であることを明確な理由に就職を拒否されることは少ないと思いますが、実際には、糖尿病であることを明らかにして試験や面接を受けた場合、糖尿病でない人にくらべて就職がやや厳しくなることは否めない事実のようです。
46.就職の際、糖尿病のことを会社へ伝えたほうがよいのでしょうか、隠しておいたほうがよいのでしょうか?
糖尿病であることを明らかにせずに(会社から聞かれないために)、試験や面接を受ける人もいます。糖尿病の自己管理に自信があるのであればそれでよいでしょう。しかし、糖尿病のために、ほかの人以上に周囲に迷惑をかけるのではないかと不安があるのであれば、伝えおいたほうが後々の自分のためにもよいかもしれません。
就職してからは、自分の糖尿病について気負わずに話せる人間関係を少しずつ作ることが理想です。「自分で血糖管理ができますからいつもは大丈夫です。でもまれに低血糖で迷惑をかけるかもしれません」。この言葉を職場の人に受けとめてもらえれば、就職や転職に関係する悩みはほとんどなくなります。そのためには、最初のうちは、ほかの人よりも少し多くの努力が必要かもしれません。
47.結婚についてはどうでしょうか?糖尿病のために結婚が遅れるようなことはありませんか?
ヤング世代の糖尿病患者さんの既婚率を糖尿病でない人と比較すると、若干低いという調査結果があります。その理由を安易に推し量ることはできませんが、恐らく、糖尿病があるということで、ご本人が結婚(あるいは恋愛)に消極的になってしまうのも一因ではないかと思います。
結婚に対する考え方は人それぞれですし、時代によっても異なります。恋愛に入る前から「糖尿病のせいで結婚できないかも」と、あれこれ考えて悩むことはないのかもしれません。
48.“結婚適齢期”と言われる年齢になる前に、糖尿病による合併症が出てしまって、結婚に支障を来すようなことはないでしょうか?
その可能性は、今の日本では高くありません。これから結婚の適齢期にさしかかる、日本の1型糖尿病治療レベルが進歩した後に成長された若い世代の方は、恐らく合併症がないか、あっても身体的な障害にまで進展していることはあまりないでしょう。また、血糖や血圧などのコントロールを良好に保っていれば、結婚後も末ながく合併症のない健康な身体でいられます。
49.糖尿病の男性はED(勃起障害)になりやすいと言われます。そのことが結婚に影響したりしませんか?
糖尿病による男性性機能障害(主にED)は、他の合併症と同様に、長期間高血糖状態が持続することで、神経や血管が冒されるために起こるものですから、20~30代でEDになる可能性はあまりないと思います。仮にもしその年齢でEDになっているとしたら、糖尿病が原因ではなくて、心因性のEDといった他の理由ではないでしょうか。
50.EDは男性の問題ですが、女性の1型糖尿病の人に、性的な問題でなにか影響は現れませんか?
女性は初潮を迎えると、月経(生理)の周期で血糖コントロールが影響を受けることがあります。ふつう生理前の高温相には血糖値が上がり気味で、生理が始まる低温相になると血糖値が下がり気味になります。人によってはその差が大きく、血糖コントロールが乱れる原因となります。その場合は基礎体温を測定し、インスリン注射量を調整する必要があります。
なお、思春期以降の若い1型糖尿病の女性は、摂食障害の頻度がやや高いのではないかと言われています。摂食障害のために極端にやせすぎたりすると、月経周期が乱れたり無月経になることもあります。ただし、糖尿病でない同世代の女性よりも摂食障害の頻度が確実に多いことを示すはっきりとした統計は、まだありません。
51.糖尿病の治療費を補助する制度はありませんか?
「小児慢性特定疾患治療研究事業」という制度があり、18歳未満の糖尿病の患児の治療費のうち自己負担分が助成されます。この制度を20歳まで延長して適用している自治体もあります。

2型糖尿病

よくある2型糖尿病に関する質問を集めてみました。
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Q1.小児2型糖尿病とは、どのような糖尿病ですか?
Q2.小児2型糖尿病は、同じ年齢層に発病する1型糖尿病と、どのようなことが異なるのでしょうか?
Q3.自覚症状がないのであれば、どのように病気を見つけるのでしょうか?
Q4.でも、自覚症状がないということは、小児2型糖尿病は小児1型糖尿病よりも軽いタイプの糖尿病だと思っていいですか?
Q5.1型糖尿病は今とのころ完治させられない病気とのことでしたが、小児や若年者の2型糖尿病はどうでしょうか?
Q6.「小児の2型糖尿病は学校の検査で尿糖陽性を指摘されて発見されることが多い」とのことでしたね。だとしたら、糖尿病が見つかった後、治療を受けて尿糖が陰性になれば、糖尿病が治ったと考えてよいのではないでしょうか?
Q7.小児の2型糖尿病が1型糖尿病と異なる点として、「肥満していることが多い」ことが挙げられていましたが、逆に言えば、太っていなくても2型糖尿病になる子どももいるということでしょうか?
Q8.ゆっくり発病するタイプの1型糖尿病と2型糖尿病を、見分ける方法はあるのですか?
Q9.小児2型糖尿病の治療について教えてください。「インスリン治療は必要ないことが多い」とのことでしたね?
Q10.小児2型糖尿病だとわかったら、どうすればよいのでしょうか?
Q11.糖尿病を無視してはいけないことの大切さはわかりましたが、具体的には何をすればよいのでしょうか?
Q12.治療の基本と言われる食事療法について教えてください。成人の糖尿病では摂取エネルギー制限があるようですが、子どもの場合も同じですか?
Q13.小学生で肥満度が高くなければ摂取エネルギーは制限しなくてよいのですね?
Q14.摂取エネルギーや栄養バランスの目安はありますか?
Q15.「すぐにできること」というと、実際にはどのようなことが挙げられますか?
Q16.子ども一人で食べさすのは、どうしてよくないのでしょうか?
Q17.運動療法について教えてください?
Q18.小児1型糖尿病の場合には、運動で低血糖や高血糖が起きることがあるそうですが、2型糖尿病ではどうなのでしょう?
Q19.小児2型糖尿病の薬物療法には、どのような薬が処方されるのでしょうか?
Q20.いろいろなタイプの薬を、どのように使い分けているのでしょうか?
Q21.小児2型糖尿病と成人の2型糖尿病の違いは何でしょうか?
Q22.「治療をないがしろにしていた結果が子どもに現れる」とは、どういう意味ですか?
Q23.なぜ合併症が起きやすいのでしょうか?
Q24.親(保護者)はなにをすればよいのでしょうか?
Q25.そのほかに大切なことがあれば教えてください。

1.小児2型糖尿病とは、どのような糖尿病ですか?
2型糖尿病は生活習慣病です。生活習慣病とは、なにかの病気になりやすい遺伝的な背景を基盤に、加齢や長年の身体に負担となる生活習慣が重なって発病する病気のことです。かつて「成人病」と呼ばれていた疾患群と、だいたい一致します。ですから一般に生活習慣病は成人に多いものですが、小児や若年者でも発病することがあります。
2.小児2型糖尿病は、同じ年齢層に発病する1型糖尿病と、どのようなことが異なるのでしょうか?
1型糖尿病とは、主に次のような違いがあります。
  • 自覚症状が現れにくい―自覚症状は全くないか、あったとしても、本人やご家族が糖尿病のことを気にしてよく注意していない限り見過ごしてしまう程度のごく軽微な症状です。インスリンの分泌量自体は十分に保たれていることが多いので、自覚症状が現れるほどの高血糖にはまずならないのです。
  • 肥満していることが多い―2型糖尿病は生活習慣病であり、肥満は生活習慣からくる身体への負担を示すバロメーターと言えますから、やはり太っている子どものほうが2型糖尿病になる確率がずっと高いのは事実です。
  • 家族集積傾向がある―同じ家族に発病しやすいという意味です。具体的には、小児2型糖尿病は、遺伝的素因が強い病気であるということです。
  • インスリン治療は必要ないことが多い―2型糖尿病の治療は、成人の場合と同じように、生活療法(食事や運動への配慮)が基礎です。生活療法だけでは血糖コントロールが不十分なときには、経口薬(飲み薬)を使ったり、インスリンを使用することもあります。
3.自覚症状がないのであれば、どのように病気を見つけるのでしょうか?
学校では毎年、健康診断が行われていますので、そのときの検尿で尿糖陽性を指摘され見つかることがほとんどです。
4.でも、自覚症状がないということは、小児2型糖尿病は小児1型糖尿病よりも軽いタイプの糖尿病だと思っていいですか?
インスリンの自己分泌がどの程度残っているのかという点に限って言えば、小児2型糖尿病は1型糖尿病より「軽い」と言ってもよいでしょう。しかし、糖尿病が「軽い」か「重い」かは、いろいろな角度から判断でき、判断する角度が異なれば答えが正反対になることもあります。
例えば2型糖尿病でインスリン自己分泌は十分あるのにもかかわらずインスリン抵抗性のために高血糖になっていて、それをしっかり治療せずにいた場合、いずれ合併症が起きてしまいます。合併症が進行した状態は、たとえインスリン分泌は残っていても、一般の方が言う「軽い病気」の概念からはかけ離れたものです。
一方でインスリン分泌がほとんどなくなる1型糖尿病でもしっかり治療を続けて血糖コントロールを良好に保っていれば合併症は発病・進行せず、一般の方から見ればいたって健康な状態を維持できます。
5.1型糖尿病は今とのころ完治させられない病気とのことでしたが、小児や若年者の2型糖尿病はどうでしょうか?
1型糖尿病と2型糖尿病では、発病の原因が異なるので、「病気が治る」という言葉の意味も少し変わってきます。1型糖尿病は膵臓の中のβ細胞が破壊されてインスリンが分泌されなくなる病気ですから、もしβ細胞の機能を復活させられれば(例えば移植や人工臓器の利用などによって)、病気を完治させることも、今すぐは無理でも将来的には可能になるであろうと言えます。
これに対して2型糖尿病は何度も言いましたように生活習慣病として発病します。生活習慣病の原因となる加齢や遺伝的な背景などは治療できません(遺伝子治療の研究も進んでいますが、2型糖尿病の発病には数多くの遺伝子が関係しているので、仮に遺伝子治療が可能になるのとしても、ずっと先の話です)。発病の原因が非常に複雑なので、病気が完治する、つまり、病気のことを全く気にかけずに生活を続けられるようになることはありません。ですからやはり、完治させられない病気だと言えます。
しかし、もちろんのこと、血糖値をよくコントロールしていれば、糖尿病がない健康な人と同じような快適な人生を送ることができます。
6.「小児の2型糖尿病は学校の検査で尿糖陽性を指摘されて発見されることが多い」とのことでしたね。だとしたら、糖尿病が見つかった後、治療を受けて尿糖が陰性になれば、糖尿病が治ったと考えてよいのではないでしょうか?
尿糖が陰性であることが糖尿病が治ったことを示すものではありません。現在一般に行われているテストペーパーによる方法では、血糖値が170mg/dL前後以上になって初めて尿糖が現れる(陽性になる)ようになっています。尿糖が陰性を示す血糖値である170mg/dLより低いからといって、糖尿病合併症が出ないという保証はありません。しかも血糖値は糖尿病の人でも食事の前は健康な人と同程度に低いことが多く、その時に尿検査を行ったのみでは、食後の高血糖を見逃してしまいます。
尿糖が陰性であるということは、単に「採尿の前の数時間は血糖値が極端に高い状態ではなかった」ということを示すだけです。尿糖が陰性になったからといって、糖尿病が治ったと安心はできないのです。
7.小児の2型糖尿病が1型糖尿病と異なる点として、「肥満していることが多い」ことが挙げられていましたが、逆に言えば、太っていなくても2型糖尿病になる子どももいるということでしょうか?
はい。その可能性はあります。ただし、2型糖尿病は生活習慣病であり、肥満は生活習慣からくる身体への負担を示すバロメーターと言えますから、やはり太っている子どものほうが2型糖尿病になる確率がずっと高いのは事実です。
なお、肥満の傾向(太り気味)でない子どもが糖尿病になった場合、非常にゆっくり発病するタイプの1型糖尿病や、「その他の特定の機序、疾患によるもの」に分類される糖尿病の可能性があります。
8.ゆっくり発病するタイプの1型糖尿病と2型糖尿病を、見分ける方法はあるのですか?
1型糖尿病との区別は、抗GAD抗体(1型糖尿病では陽性になることの多い検査)などを行い、それらが陰性であれば2型である可能性が高いと判断されます。そのような検査の結果、2型糖尿病のような病状を示していても実は1型糖尿病(緩徐進行型1型糖尿病)であるとわかった場合は、早期にインスリン療法を開始すると、その後、長期にわたって良好な血糖コントロールを維持しやすくなることがわかってきました。
9.小児2型糖尿病の治療について教えてください。「インスリン治療は必要ないことが多い」とのことでしたね?
はい。小児の糖尿病と言うと、今でも1型糖尿病が多いと考えられ、すべてインスリン治療が必要だと思われがちですが、中学生・高校生まで含めると2型糖尿病のほうが多いのが実情です。2型糖尿病の治療は、成人の場合と同じように、生活療法(食事や運動への配慮)が基礎です。生活療法だけでは血糖コントロールが不十分なときには、経口薬(飲み薬)を使ったり、インスリンを使用することもあります。
10.小児2型糖尿病だとわかったら、どうすればよいのでしょうか?
一番大切なことは、糖尿病を絶対に無視しないということです。小児2型糖尿病の多くは、インスリン分泌がまだ十分に保たれている状態ですから、病気の存在を思わせるような自覚症状はまずありません。ですから、せっかく尿検査などで糖尿病が見つかって最初の何回かは通院しても、そのうちぱったりと通院しなくなってしまうことが多いようです。特に、飲み薬やインスリンによる治療が必要ないときに、このような傾向がみられます。
しかし、何度も繰り返しになりますが、糖尿病は自覚症状が現れない段階から発病・進行する合併症が怖い病気です。飲み薬やインスリンが必要ないからといって治療をせずにいれば、血糖値が高いまま時間がたち、やがて合併症が起きてきます。しかも小児の時期から高血糖であった場合、成人するころに合併症が出てきてしまうこともあります。ですから一度糖尿病を指摘されたら、絶対に糖尿病のことを無視しないでほしいのです。
11.糖尿病を無視してはいけないことの大切さはわかりましたが、具体的には何をすればよいのでしょうか?
やはり、定期的な通院を欠かさないことが第一です。もし、定期的に通院できないのであれば、思い出したときだけでもいいので、年に何回かは受診してください。通院をしている限り、糖尿病のことを全く忘れてしまうようなことにはならないはずですから。通院を2~3度欠かすと、病院に行きづらくなって、それきり治療を放棄してしまうような人もいるようですが、それだけは避けましょう。
12.治療の基本と言われる食事療法について教えてください。成人の糖尿病では摂取エネルギー制限があるようですが、子どもの場合も同じですか?
子どもは身体が成長していますから、摂取エネルギーをあまり厳格に考えるのではなくて、栄養バランスのよい食事をとることに重きを置きます。栄養バランスを心掛けていれば、極端な摂取エネルギーオーバーにはなりません。ただし、高校生ぐらい以上で肥満している場合や、小・中学生でも肥満度が高度な場合には、摂取エネルギーを減らすことも必要です。
13.小学生で肥満度が高くなければ摂取エネルギーは制限しなくてよいのですね?
もちろんいくら食べても良いというわけではなく、年齢や身長にあった標準的な摂取エネルギーにします。たとえ少々肥満気味でも小学生ならこれからまだ身長が随分伸びるでしょうから、体重が増えないようにしていれば、いずれ肥満は解消されることでしょう。
14.摂取エネルギーや栄養バランスの目安はありますか?
これは、子どもの体格や活動量(スポーツクラブ活動をしているか否かなど)によって差がありますが、一般的な目安は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」などを参考に、主治医が判断して保護者に伝えます。なお、お子さんが糖尿病と言われたからと、突然それまでの食習慣をがらっと変えるのではなく、すぐにできることから少しずつ変えていってください。長年親しんできた食習慣は、なかなか急には変えられないものです。
15.「すぐにできること」というと、実際にはどのようなことが挙げられますか?
間食を頻繁にしていませんか?清涼飲料水ばかりを飲んだり、早食いをしたりしていませんか?眠りにつくすぐ前に食事をしていませんか?これらは食べ過ぎや肥満を助長する原因です。また、料理にマヨネーズやバターを多用し過ぎていないでしょうか?油脂類の使用でエネルギー量がぐっと高くなります。それに、お子さんが一人で食事をするようなことはないでしょうか?
16.子ども一人で食べさすのは、どうしてよくないのでしょうか?
子どもが一人で食事をすると、しばしば自分の好きな物ばかりを食べて野菜をほとんど食べないなど、偏食になりがちです。また、食事の時間も不規則になることも多いようです。こうした食習慣は、肥満を招いたり、血糖値を乱れやすくしてしまいます。さらに何よりも、一人で食事をするのは味気ないものですから、本来は生きることの基本で楽しいはずの「食事」が単なる作業のようにつまらなくなってしまい、大きく成長してからも食事のことをおろそかにしてしまうことになりかねません。近年「食育」の重要性がクローズアップされてきたのには、このような背景もあります。
17.運動療法について教えてください?
大人の2型糖尿病の運動療法のように、「1日何キロカロリー消費する運動をする」などの具体的な目標を定めて行う必要はありません。本当なら屋外で遊ぶだけでも十分な運動になります。しかし今の子どもたちは、昔の子どものように外で遊ぶということを、あまりしなくなりました。家の中でゲームをしたりマンガを読むのが好きなお子さんには、なるべく外で遊ぶようにさせてください。インスリン抵抗性が高血糖の主要原因であることが多い小児2型糖尿病では、血糖値を下げる方法として運動が有効です。
18.小児1型糖尿病の場合には、運動で低血糖や高血糖が起きることがあるそうですが、2型糖尿病ではどうなのでしょう?
2型糖尿病の場合でも薬物療法をしているケースでは、低血糖が全く起きないとは言い切れません。ただし、インスリンの自己分泌は十分残っているので薬の使用量は少なく、それだけ1型糖尿病の場合よりも低血糖になる頻度はずっと少ないと考えられます。子どもの2型糖尿病に対する薬物療法はまだあまり情報が蓄積されていないので、はっきりとは言えない面もあるのですが、学校の体育の授業程度の運動で低血糖になることはまずないのではないでしょうか。また逆に運動によって高血糖になる心配も少ないでしょう。
19.小児2型糖尿病の薬物療法には、どのような薬が処方されるのでしょうか?
薬の種類としては、成人の糖尿病と同じです。α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、速効型インスリン分泌促進薬、インスリン抵抗性改善薬、SU薬、以上の飲み薬と、インスリン注射薬です。
20.いろいろなタイプの薬を、どのように使い分けているのでしょうか?
インスリンの自己分泌が十分にある場合は、インスリン抵抗性が高血糖の主要原因と推測されますから、ビグアナイド薬やインスリン抵抗性改善薬を使用します。また、α-グルコシダーゼ阻害薬や速効型インスリン分泌促進薬で食後の高血糖を改善すると、糖毒性が軽減(改善)されて食前の血糖値も落ち着いてくることがあります。こうした使い分けは、成人の場合と同じように考えます。
21.小児2型糖尿病と成人の2型糖尿病の違いは何でしょうか?
成人の患者さんの場合ほとんどのケースで患者さんご自身が治療の主役になるのに対し、小児・若年者2型糖尿病の場合、保護者の役割が治療の大きな部分を占めます。保護者が糖尿病のことをよく理解していないために、治療がないがしろになってしまうと、その結果が子どもに現れてしまいます。
22.「治療をないがしろにしていた結果が子どもに現れる」とは、どういう意味ですか?
合併症が起きてしまうということです。小児・若年者2型糖尿病の患者さんの合併症の発症率は1型の患者さんよりも高い、という統計もあります。ふつうに考えると、2型糖尿病よりも血糖コントロールの正常化に手間がかかる1型糖尿病のほうが合併症が起きやすいと思われるかもしれませが、実際はそうではなくて、むしろ逆のようなのです。
23.なぜ合併症が起きやすいのでしょうか?
自覚症状がないために、治療がないがしろになるケースが多いからです。本来であれば1型糖尿病よりも軽度な治療法でより良好な血糖コントロールが可能であるはずなのですから、これはとても残念な事態です。こうした事態を防ぐには、保護者の方の糖尿病に対する理解が欠かせません。
24.親(保護者)はなにをすればよいのでしょうか?
糖尿病を無視しないで受け止めることが、大切なポイントです。それさえ忘れずにいれば、2型糖尿病は(清涼飲料水を大量に飲むなどのごくまれなケースを除いて)、急に悪化し生命に危険が及ぶような病気ではありませんから、治療に必要な知識を少しずつ覚えて血糖値を改善していけばよいでしょう。
25.そのほかに大切なことがあれば教えてください。
お子さんの成長とともに、治療の主役を徐々に本人に移していきます。食事の工夫なども、お子さんと一緒に考えながら進めていき、糖尿病の理解を深めて、いずれは一人でできるようにしてください。
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