SGLT2阻害剤、新規糖尿病薬なら愛知県稲沢市のおおこうち内科クリニック

新規糖尿病薬として注目されているSGLT2阻害剤に対するよくある質問を集めてみました。
下記のタイトルをクリックするとジャンプします。
Q1．SGLT2とは何ですか？
Q2．何故、SGLT2阻害剤で血糖値が下がるのですか？
Q3．SGLT2阻害剤には、どんな名前の薬があるのですか？
Q4．SGLT2阻害剤を服用すると、どのくらいHbA1cが低下しますか？
Q5．SGLT2阻害剤を服用すると、体重が減るというのは本当ですか？
Q6．SGLT2阻害剤を服用すると、血圧が下がるというのは本当ですか？
Q7．SGLT2阻害剤はどのような患者様に適していますか？
Q8．SGLT2阻害剤は、いくらくらいするのですか？
Q9．SGLT2阻害剤の副作用は心配ありませんか？
Q10．SGLT2阻害剤は新しい薬ですが安全性は大丈夫ですか？

2．何故、SGLT2阻害剤で血糖値が下がるのですか？

SGLT2阻害薬を使用することで、ブドウ糖を再吸収するSGLT2の働きを阻害します。そのためブドウ糖が体内に再度吸収されることなく尿と一緒に体外に排泄され、 結果として体内の血糖値が低下します。

3．SGLT2阻害剤には、どんな名前の薬があるのですか？

SGLT2阻害剤には開発中の薬を含め、6種類があります。
下記に、一般名（商品名）：販売予定製薬会社名を記載します。
イプラグリフロジン（スーグラ）：アステラス製薬、寿製薬、MSD
ルセオグリフロジン（ルセフィ）：大正富山医薬品、ノバルティスファーマ
トホグリフロジン（アプルウェイ、デベルザ）：サノフィ、中外製薬、興和創薬
ダパグリフロジン（フォシーガ）：小野薬品、アストラゼネカ
カナグリフロジン（カナグル）：田辺三菱製薬、第一三共
エンパグリフロジン：ベーリンガー、イーライリリー

4．SGLT2阻害剤を服用すると、どのくらいHbA1cが低下しますか？

SGLT2阻害剤を単独使用、あるいは、従来の糖尿病薬と併用すると、HbA1cが約0.7-1.2％低下しています。

5．SGLT2阻害剤を服用すると、体重が減るというのは本当ですか？

SGLT2阻害剤を単独使用、あるいは、従来の糖尿病薬と併用すると、体重が約2-3kgの減ると報告されています。特に、内臓脂肪が低下することが示されており、腹囲が小さくなる方が多く見られます。

6．SGLT2阻害剤を服用すると、血圧が下がるというのは本当ですか？

SGLT2阻害剤を使用すると、糖と一緒に、水分が排泄されますので、血圧が少し低下します。利尿剤様効果として、収縮期血圧約6mmHg、拡張期血圧約3mmHg程度の低下が報告されていますので、高血圧の患者様には好都合ですが、低血圧の患者様、あるいは、利尿剤を服用している患者様には注意が必要です。

7．SGLT2阻害剤はどのような患者様に適していますか？

食事・運動療法がうまくいかず、肥満体系で、体重の減量が難しい方、あるいは、経口剤を服用していても糖尿病コントロールが良くならないかが対象です。特にBMIが22kg/m2以上のやせ形ではない方で、成人の方、腎機能が悪くない方に効果的です。

8．SGLT2阻害剤は、いくらくらいするのですか？

通常用量で、1日205.5円（自己負担3割で約62円、1割で21円）です。

9．SGLT2阻害剤の副作用は心配ありませんか？

現在、報告されている副作用には、低血糖、脱水、尿路感染症、頻尿、脱水、薬疹などがあります。低血糖を誘発しやすいSU剤、グリニド製剤、インスリン製剤との併用時や、高齢者に使用する場合は注意が必要です。適正患者に使用すれば、副作用はほとんどありません。

10．SGLT2阻害剤は新しい薬ですが安全性は大丈夫ですか？

お薬ですので100%安心とは言えませんが、 通常の薬剤開発に則った適切な安全性の評価には合格しています。しかし、よりたくさんの患者さんに使われた後に、報告されていない副作用が見つかるケースもあります。アメリカでは、現在、この薬が発売される前に多くの糖尿病患者様に使用されたDPP-4阻害薬の販売数抜き、SGLT2阻害剤の販売数がトップになっています。そのように、多くの糖尿病患者様に使用されていますが、適正患者に使用すれば、重篤な副作用は非常にまれで、全世界で安全に使用されています。