コロナウィルスワクチン接種後のスパイクタンパク抗体(中和抗体)検査を開始しました。
価格(コロナスパイクタンパク抗体の検査料・説明込み)
6,000円(税込、結果郵送料込み)
検査結果は約3日後、結果は郵送します。
検査はクリニックでの採血が必要です。
当院の検査はスパイクタンパク質の表面タンパク質に対する抗S抗体を定量的に測定します。
コロナウィルスの感染が収まらず、最近、ブレイクスルー感染という言葉が話題になっていますね。
ブレイクスルー感染とは、ワクチンを2回接種した後に、新型コロナウィルスに感染することです。ブレイクスルー(breakthrough)は英語で、突破、突破口などの意味があります。「ワクチン接種という防壁を突破して感染する」のが、ブレイクスルー感染なのです。
ブレイクスルー感染の一つの原因として、変異株が流行していることが大きいですが、別の原因として、コロナワクチンを接種しても中和抗体がうまくつかない人がいることが分かってきました。折角、苦労してコロナウィルスワクチンを2回打ったのに、防御するための中和抗体が出来ていないというのは悲しい事ですね。
そのため、自分自身がきちんと抗体を獲得できているか気になる方もいるのではないでしょうか。ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンは、ウイルスの表面に存在し感染の成立に重要な役割を果たすスパイクタンパク質(S)に対する抗体を誘導することで、COVID-19の発症予防効果を発揮します。その一方で、今まで行われてきた「抗体検査」は主にウイルスの遺伝情報を収納しているヌクレオカプシド(N)というタンパクに対する抗体であり、既感染の判定には有用であるものの、ワクチン接種後の抗体獲得の判定には不適でした。スパイクタンパク質(S)に対する抗体は、新型コロナウイルスへの既感染およびワクチン接種後の抗体獲得を示す良い指標であり、ウイルスとヒト細胞との結合を阻害する中和抗体としての活性を有すると考えられています。今回、新たにスパイクタンパク質(S)に対する定量的な抗体検査であるコロナスパイクタンパク抗体検査(抗CoV-抗体S)を当院で開始しましたのでご案内いたします。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、IgG抗体は発症後約10日で上昇し、発症後14日目以降の陽性率は100%と報告されています。従って、
をお勧めします。
スパイクタンパク抗体はコロナウイルス感染を防ぐ効果のある「中和抗体」との相関が高く、スパイクタンパク抗体が検出されれば、中和抗体が産生されているとみなされます。
感度:98.8%、特異度:99.98%と精度は高い検査です。
当社検査では厚生労働省の新型コロナウイルス抗体検査でも用いられている試薬を使っており、信頼性の高い検査を提供しています。
※スパイクタンパク抗体があるからといって今後感染しないということは証明されていません。免疫を上回ってウイルスが増殖するなど、さまざまな要因で感染はおこりますので、引き続きの感染対策をお願いいたします。
また、中和抗体を持っていた場合でも、ワクチンの接種をしなくていいという結果ではありませんので、予めご注意ください。ワクチンを接種することで、体内の中和抗体の量が増えるという統計データもあります。
また、コロナ感染の陰性証明にはなりませんので、その点をご了承の上で検査を受けてください。
最終的にワクチンの効果がどの程度持続するのかはまだわかっていません。
しかし、東京大学医科学研究所の発表によれば、新型コロナウイルスに感染して発症した患者において、ウイルスによる抗体が発症から少なくとも3~6カ月間は維持されることが明らかにされました。
COVID-19患者におけるSARS-CoV-2に対する抗体価の変動。赤線は抗体価の中央値、灰色領域は95%最高密度区間を指す出典:東京大学医科学研究所
同様に、最近のハンガリーでの研究では、ファイザー社製ワクチンについて、2回目の接種後1週間でピークとなり、以後は中和抗体が減少する可能性が報告されています。 そのため、ご自身の中和抗体がいつまで保持されているか気になる方は定期的な検査をお勧めします。
中和抗体が高ければ絶対に感染しないことを保証するものではありませんが、感染予防を心がける上で有用な指標と考えられます。