性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの感染によって、性器が浅くただれたり、水ぼうそうのようなブツブツができる疾患です。
セックスやオーラルセックスが主な感染経路です。
感染者も多く、再発もしやすいため注意が必要です。
抗ウイルス薬を使うことで、早く・きれいに治すことができます。
自覚症状が出にくい病気ですが、以下の症状が現れた場合は性器ヘルペス感染症を疑ってみましょう。
性器ヘルペス感染症の症状が一旦治まっても、原因の単純ヘルペスウイルスはいなくなるわけではなく、体内の腰骨随神経節に潜伏し、また活動する機会をうかがっています。
健康な状態のときには、免疫によってウイルスの活動を抑えることができますが、免疫力が低下した際には再度活動を活発化して性器ヘルペス感染症を発症させてしまいます。
そのため、普段の体調管理が大切です。
東京慈恵会医科大学付属青戸病院 皮膚科 教授 本田まりこ 監修
性交渉あるいはオーラルセックス等の感染の機会があってから2~10日の潜伏期間ののち発症します。
性器でも特に陰茎に多発性の小水疱が出現し、3~5日後には水泡が破れて潰瘍を作ります。
初感染では症状が強く、尿道にも病変が及ぶ事があり、痛みを伴い全身の倦怠感や足のつけ根(そけい部)リンパ節の腫張や圧痛がでることもあります。
再発の場合は初感染の時より症状が軽くて済むことが多いのですが、病変のある間は性交渉でパートナーにうつす可能性が非常に高い、又男性の場合非常に再発がおきやすく、50%以上の人が3ヶ月以内に再発するといわれています。
性行為の様な感染の機会があってから、2~10日くらいして外陰部の不快感、ときに掻痒感を感じているうちに、急激に外陰部の疼痛が出て、ときに歩く事もつらい、排尿できないぐらい強くなることがあります。
外陰部の所見として広範にわたって多数の浅い潰瘍が両側の大・小陰唇にできます。
さらにその潰瘍の周囲には、小さい水ぶくれが出来る事もあります。
ひどい場合には足のつけ根(そけい部)のリンパ節が腫れたり、発熱や頭痛、全身倦怠感等を訴えます。
いったん治っても再発はよくみられます。
再発の場合はまず熱が出ることはなく、痛みも軽く、足のつけ根(そけい部)のリンパ節が腫張することもあまりありませんが、病変がある間は性行為によって相手にうつす可能性が高く、妊娠時に症状が現れた場合は注意が必要です。
分娩時に産道で胎児に感染することもあります。
再発のきっかけははっきりしている場合もありますが、はっきりしていないことも多いようです。
全身の免疫力が下がった時や、月経を契機として再発する場合があります。
ひどい場合には月経の度ごとに必ず再発するという例もあります。
健康な状態のときには、免疫によってウイルスの活動を抑えることができますが、免疫力が低下した際には再度活動を活発化して性器ヘルペス感染症を発症させてしまいます。
そのため、普段の体調管理が大切です。
原因 | 単純ヘルペスウイルスというウイルスにより感染。 1型と2型の2種類があり、口唇ヘルペス(口の周囲に水泡ができる)は1型、性器ヘルペスは2型といわれていたが、現在では、1、2型ともに性器ヘルペスが起こるといわれています。 |
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潜伏期間 | 3~7日間 |
症状 |
1.初感染の場合
2.再発の場合
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「抗ヘルペスウイルス薬」を使用します。
大抵は、内服とぬり薬の投与で治りますが、急性期でひどい場合には点滴療法も行います。
ヘルペスウイルスは一旦感染すると体から取り除く事は出来ませんが、薬による再発抑制治療で再発のリスクが格段に低下します。
もちろんパートナーへの感染も格段に減らすことが可能です。