バイオシミラーとジェネリック医薬品の
違いをご存じですか?
まずは、バイオ医薬品とジェネリック医薬品の違いを知ることが大事です。バイオ医薬品とは、細胞や微生物の生物の力(バイオ)を利用して作った薬、一方、ジェネリック医薬品は様々な薬品を化学反応させて作った薬の事です。
なぜ、生物の力を利用する必要があるのでしょうか?生物は、アミノ酸をつなげてタンパク質を作る力があるからです。バイオ医薬品とは、生物の力を使ってつくったタンパク質(ホルモン、酵素、抗体など)を有効成分とする薬なのです。比較的単純な構造のジェネリック医薬品は薬品を使って化学反応させて作る事が出来るのですが、複雑な構造であるタンパク質(ホルモン、酵素、抗体など)は生物の力(高度なバイオ技術)を利用しなければ作成できないのです。
どちらも「新薬の特許が切れた後に発売された医薬品」ですが、バイオ医薬品の場合は「バイオシミラー」、様々な薬品を化学反応させて作った場合は「ジェネリック医薬品」と呼びます。バイオシミラーは高度なバイオ技術を用いるため、製造工程が多く複雑です。そのため、ジェネリック医薬品よりも多くの試験やチェックを行うことが必要とされます。
バイオシミラーとは、特許が切れたバイオ医薬品を他のメーカーが開発・発売するもので、バイオ後続品と呼ばれることもあります。2015年には、インスリン製剤として初めてのバイオシミラーが登場しました。バイオシミラーは、先に発売されているインスリン製剤と同じ効能・効果が期待できます。
バイオ医薬品は生物を原材料とした高度なバイオ技術を用いるため、作り方や構造が複雑です。そのため、バイオシミラーの発売前には、効能・効果、安全性が先に発売されたお薬と同じことを証明するために実際の患者を対象とした臨床試験を行っています。また発売後も医師を通じて、実際にバイオシミラーを使っている患者から、安全性に関する情報を集めています。
バイオシミラーは、先に発売された同じ成分のお薬(先発品)よりも価格が安くなります。バイオシミラーの薬価は、先発品の薬価の原則70%で算定されるというルールがあります。
医療費を節約したい方、使用を検討したいと思われている方、主治医の先生に相談してみませんか?
バイオシミラーの薬価が先発品の70%とした場合、実際に医療機関窓口でお支払いになる金額には、他のお薬代や診療代、検査代、指導料、調剤基本料などが加算されます。例えば、お薬代が2,000円/月かかっている場合、年間では、24,000円かかりますが、バイオシミラーを使うと年間、16,800円になり、7,200円の医療費の節約になります。