検診のバリウム検査で「胃ポリープ」を指摘された、心配になりますよね。
ところで、胃のポリープって、2種類あるのをご存知ですか?
1つは放置していてもいいポリープですが、もう1つは放置する訳にはいかないポリープです。
一般的には、ピロリ菌のいない綺麗な胃で発生します。
色も周囲の胃粘膜と同じピンク色をしています。
基本的には、胃がんにならない良性のポリープのため、切除する必要もなく、経過観察となります。
自然に消えることもないので、バリウムを受けるたびに毎回指摘されます。
ピロリ菌がいないきれいな胃に多発性に発生する胃底腺ポリープです。
一般的には、ピロリ菌のいる荒れた胃に発生します。
色は赤みがかっている事が多いです。
胃がんになる可能性があったり、出血する可能性もあるので治療が必要です。
ピロリ菌に感染した慢性胃炎の胃から起こる発赤したゴツゴツした過形成ポリープ
胃底腺ポリープの場合は切除する必要はありません。過形成ポリープの場合は、切除する事もありますし、経過をみる事もあります。
過形成ポリープはピロリ菌のいる胃に発生することが多く、ピロリ菌を退治(除菌)することで、7割くらいのポリープは縮小または消失すると言われています。ですので、多くのケースでは、いきなり切除するのではなく、ピロリ菌除菌治療を薦められます。
以上のように、胃もポリープといわれても、胃底腺ポリープのように心配のないポリープと、過形成ポリープのように注意するポリープがあります。
要精査と書かれた場合は、きちんと胃カメラを受けて、自分がどちらのタイプのポリープを持っているのかチェックしておきましょう。
大きさが1cm以下の小さなものなら、過形成性ポリープ、また腺腫でも、治療しないでそのまま放置してもまず大丈夫です。もちろん、特に腺腫の場合はできれば定期的に検査を受けて経過をみることをお勧めします。
ただ、ガンでないといっても、2cm以上の大きい過形成性ポリープや一部の腺腫では、内視鏡を用いた治療「ポリぺクトミー」または「EMR(内視鏡的粘膜切除術)」によって切除することが多いのです。また、急に大きくなったりするポリープも治療の対象になります。
ただし、大きなポリープや既にガンになっていることがわかった場合には、お腹を切ってガンを取る場合もあります。
胃はデリケートな臓器です。ストレスをためないようにし、規則正しい生活習慣を心がけましょう。食事の際には、胃に強い刺激を与える食べ物、特に香辛料をたくさん使った料理や、強いお酒などは控えたほうが良いでしょう。食物はよく噛み、胃に負担をかけない食生活がポイントです。
また、特に治療をする必要がないと診断された方も、できれば定期的な健診を受けることをお勧めします。