頻尿症とは、何度もおしっこに行ってしまうことを言います。
頻尿の定義ははっきりと明確な基準はありませんが、1日に7回までが正常と考えられます。
日中での排尿回数が8回以上、夜間で2回以上の排尿があれば、頻尿症と考えられます。
また、回数にこだわらずに、トイレの回数が多いと感じるようなら、それも頻尿と診断されることもあります。
睡眠中に排尿に起きるということは正常ではないと厳密には考えられます。
何回も尿意が起こり、度々排尿するようになります。具体的には、下記の症状がある場合は頻尿症を疑います。
など
大きく二つのケースに分けられます。
まずは尿検査が必須です。感染が原因の場合は、尿に白血球が混じりますので容易に診断ができます。
前立腺肥大症の場合は、超音波検査が体に負担を掛けずにできますので有用な検査です。
膀胱に問題がある場合は、問診で大体の診断ができます。
神経性・うつ的症状などに伴う場合も、問診から診断することが可能です。
薬物療法として、膀胱の収縮を抑える抗コリン薬やβ3受容体作動薬などが使用されます。
膀胱の収縮を抑えて、尿意切迫感も改善する薬剤です。
口渇や便秘といった副作用がしばしば見られます。
また閉塞隅角緑内症の方には使用できません。
ポラキス®、バップフォー®、デトルシトール®、ベシケア®、ウリトス®、ステーブラ®、トビエース®、ネオキシ®テープ(貼付剤)など。
蓄尿時の膀胱の拡張を促進する薬剤で、尿意切迫感も改善します。
口渇や便秘の頻度が低いと言われています。
ベタニス®、ベオーバ®。
過活動膀胱の場合、尿意を感じても、すぐにトイレに立たないようにすること(膀胱訓練)や、骨盤底筋体操を行うことで、頻尿を改善することができます。
膀胱訓練や骨盤底筋体操も効果があります。
少しずつ排尿する間隔を延長し、最終的には2~3時間の排尿間隔が得られるように訓練する。
骨盤底筋の筋力強化のため、肛門挙筋および尿道周囲、膣周囲の括約筋群を様々な体制で収縮させます。
最後に、一日だけ頻尿があったから、すぐに病気と考える必要はありません。多くの水分を取れば尿の回数も当然増えます。
日常生活に治療のヒントがあることが多く見られます。頻尿は精神的なことから影響を受けやすいものです。
感染が原因の場合は、できるだけ短期間の処方を確実に服薬することで、すっきりと症状が回復します。
膀胱に問題がある場合も、多くのお薬の中から適切なものを処方します。
排尿記録を付けるだけで症状が解消したり、頻尿の定義から外れる場合もあります。