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潰瘍性大腸炎の新薬

HOME»  潰瘍性大腸炎の新薬

新しい潰瘍性大腸炎の治療薬を紹介します。愛知県稲沢市のおおこうち内科クリニック

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潰瘍性大腸炎の治療薬の進歩

潰瘍性大腸炎の治療目標とは?

潰瘍性大腸炎には、現在、根本的な治療法はありません。しかし、患者さん自身が病気を正しく理解して、適切な治療を受ければ再燃を防ぎ寛解を維持していくことが可能です。そのためには、生活リズムや食生活などに注意し、薬物治療を組み合わせて、炎症の再燃を予防することが重要です。

近年、潰瘍性大腸炎大腸炎の治療薬は大きく進歩し、従来の治療以外にも様々な新しい治療法が登場しており、消化器の専門クリニックとして当院でも新しい治療に積極的に取り入れています。今回、当院で使用できる新しい潰瘍性大腸炎の治療薬を紹介します。

潰瘍性大腸炎の治療目標

新しい潰瘍性大腸炎の治療薬

A)抗TNFα抗体製剤
B)α4β7インテグリン抗体製剤
C)JAK阻害剤


下線をクリックするとジャンプします。

A) 抗TNFα抗体製剤

抗TNFα抗体製剤は、潰瘍性大腸炎において炎症を起こすもとになっているTNFαという物質の作用を抑える薬剤です。

現在、下記の3種類があります。

  • レミケード点滴静注(一般名:インフリキシマブ)
    (バイオシミラーであるインフリキシマブBSもあります)
  • ヒュミラ皮下注(一般名:アダリムマブ)
  • シンポニー皮下注(一般名:ゴリムマブ)

レミケードは点滴ですが、ヒュミラとシンポニーは皮下注射です。

ヒュミラでは自分で注射することも可能ですが、レミケードやシンポニーは病院や専門クリニックで注射します。

抗TNFα抗体製剤

TNFαの働きが抑制されることで炎症が抑えられ、潰瘍性大腸炎の症状が緩和するといった作用機序を有しています。

副作用として、結核・肺炎・敗血症等を含む重篤な感染症の発現を認めることがありますので、十分注意が必要です。

B) α4β7インテグリン抗体製剤

α4β7インテグリン抗体製剤であるエンタイビオ(一般名:ベドリズマブ)は炎症を起こすもとのひとつであるTリンパ球の表面にあるα4β7インテグリンという物質に作用し、Tリンパ球が血管外に遊走するのを抑えることにより、炎症を抑制します。エンタイビオは、T細胞の「α4β7インテグリン」と血管内皮細胞上の「MAdCAM-1」との結合を阻害することでT細胞の接着と浸潤、そして遊走を抑制することができます。
その結果、T細胞による炎症反応が抑制でき、潰瘍性大腸炎の症状緩和効果を発揮すると考えられます。

エンタイビオ(ベドリズマブ)

エンタイビオの特徴として、抗TNFα抗体薬の治療歴のある患者さんにも効果がある事です。

主な副作用として、寒気、頭痛、関節痛、悪心、発熱、感染症などがあります。

稀に肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症が報告されているため、特に注意が必要です。

C) JAK阻害剤

細胞表面にあるサイトカイン受容体の根元にいるJAKという物質の作用を抑えることにより、炎症を引き起こす物質の産生が抑えられます。

炎症性サイトカインであるTNFαやIL-12、IL-23等が炎症を引き起こす際、それらが各受容体に結合して刺激が核に伝えられます。

各受容体には「ヤヌスキナーゼ(JAK:“ジャック”)」と呼ばれるタンパク質が付随していて、JAKを介してシグナルが核へと届けられます。

核内に刺激が到達すると、炎症反応が引き起こされ、潰瘍性大腸炎が進行してしまいます。

ゼルヤンツ(一般名:トファシチニブ)は各受容体の細胞内に存在しているJAKを選択的に阻害する薬剤です。

ゼルヤンツ(トファシチニブ)

JAKを阻害することで、TNFαやIL-12、IL-23による刺激が核に伝わるのを遮断して炎症を抑え、潰瘍性大腸炎の進行を抑制すると考えられています。

ゼルヤンツの特徴として、ステロイドの効果が乏しい患者さんだけでなく、抗TNF-α抗体製剤の効果も乏しい患者さんにも効果が期待されている事です。

主な副作用として、頭痛、咽頭炎、関節痛などが報告されています。

特に結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染などの重篤な感染症が発現する可能性もあるため、特に注意が必要です。

潰瘍性大腸炎の公費助成について

潰瘍性大腸炎は厚生労働省によって医療費助成制度の対象となる「指定難病」の一つであることが定められています。助成は、難病指定医によって潰瘍性大腸炎の診断となった患者さんのうち、一定以上の重症度である、あるいは軽症であっても一定以上の高額な医療を受ける必要がある方が対象となります。対象となる患者さんは、指定医療機関において潰瘍性大腸炎に関連した治療や診療を受けた場合に医療費の助成を受けることができます。医療費助成を受けるには、受給者証の申請を行う必要があります。受給者証の申請は各市区町村の保健所等が窓口となっており、申請書も窓口で入手することができます。臨床個人調査票を指定医療機関の難病指定医に記入してもらい、必要書類をそろえて窓口に申請します。承認を得た場合には、申請日から受給者証交付までの期間の医療費についても遡って還付を受けることができます(領収書が必要です)。

潰瘍性大腸炎の診断を受けた患者様は、医療費助成制度について各市区町村の保健所等でご相談ください。

医療費助成の対象となるのは、重症度が一定以上の患者さんや、軽症であっても高額な治療を継続する必要がある患者様(※)です。

※高額な治療の継続とは、月ごとの医療費の総額が33,330円を超える月が年間3回以上ある場合をいいます。
(例:医療保険3割負担の場合、医療費の自己負担がおよそ1万円となる月が年3回以上ある場合が該当します)

具体的には、申請した日の属する月から12カ月前までの期間に、難病の治療にかかる1カ月当たりの総医療費が33,330円(自己負担が3割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が3回以上あることです。例えば、12月に申請する場合は、前年の12月から33,330円を超える月が3回以上あれば対象となります。
また、難病と診断されてから12カ月たっていない場合、難病指定医が発症を認めた月(「臨床調査個人票」の発症年月欄に記載された月)から、申請日の属する月までに33,330円を超える月が3回以上あった場合に対象となります。

軽症者が認定される例

軽症者が認定される例

難病医学研究財団難病情報センター
「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」より作成

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